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会長あいさつ

会長のあいさつ


公益社団法人 栃木県看護協会
 会長 朝野 春美

会員の皆様には、日ごろより栃木県看護協会の活動にご支援、ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

昨年元日に能登半島地震が発生してから、一年半以上が経過していますが、未だ復興が進んでいない地域もあり、まだまだ不自由な生活を送られている被災者の方々もいらっしゃいます。また、この6月以降、トカラ列島では群発地震が発生し、住民の方々が不安な日々を過ごされています。さらに、全国各地で集中豪雨による避難勧告が発令されることも多く、このような状況に触れるたびに、自然災害の脅威を改めて感じ、平時からの備えの重要性を強く感じています。加えて、これまでにない百日咳の流行や、新型コロナ感染症の再流行が懸念されているなど、私たちの健康や生活を脅かすような状況に対し、皆様も緊張を新たに、ご対応の日々をお過ごしのことと思います。

さて、今年度の栃木県看護協会通常総会が、6月21日(土)に無事終了いたしました。

看護職に対する役割期待が増々高まり、活動領域が拡大する中、総会でもご報告させていただきましたが、当協会では、令和7年度の重点政策として次の5点を掲げ、その実現に向けての取組を実施してまいります。

 1 看護の安全性・専門性の向上と実践力の強化
 2 地域包括ケアシステムの構築と推進
 3 看護職の働き方改革の推進
 4 県民の健康・福祉に貢献できる体制整備
 5 看護に係る普及啓発と組織強化

特に、今年度は次の2点について、取り組みを強化していきたいと考えます。

一点目は、これからの看護を担う看護学生から新人看護師までの一連の養成・育成過程を支えていくために、看護師基礎教育機関と新人看護師を受け入れる医療現場との相互連携を強化する事業を継続して行いたいと考えています。栃木県に愛着を持ち、県民のために貢献したいという思いを持って栃木県内で看護職として働き続ける「地元ナース」の育成につながるように活動してまいります。また、少子化に伴い18歳人口の減少が続く中、若い世代の方たちに看護に関心を持っていただけるような啓発事業を積極的に展開していきたいと思います。

二点目は、自然災害や感染症の発生に備え、平時からの健康危機管理体制の強化、特に災害支援ナースの養成について、積極的に取り組んでまいります。そこで、是非、各施設の災害への備えとして災害支援ナースの計画的な配置と活用についてご検討いただければ幸いです。

ところで、令和8年度上半期に、日本の看護師の先駆者的存在である本県出身の大関和(ちか)さんをモチーフとした NHK 連続テレビ小説「風、 薫る」の放送が決定され、舞台地のひとつとして栃木県大田原市が取り上げられることとなりました。これを追い風として、関係機関と連携しながら、若い世代の方たちはもとより、広く県民の皆様に看護に関心を持っていただけるよう積極的に啓発事業を展開して参りたいと思います。

当協会といたしましては、今後も、県民の健康と暮らしを支える看護職の役割を果たすために、それぞれの活動現場で生じているさまざまな課題について整理し、現場の声を行政や関係団体等に届け、課題改善のための働きかけを行ってまいります。個人では解決が困難な課題も、職能団体としての組織力を生かして取り組んでいきたいと思いますので、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。