会長のあいさつ
公益社団法人 栃木県看護協会
会長 朝野 春美
会員の皆様には、日ごろより栃木県看護協会の活動にご支援、ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
今年元日に能登半島地震が発生してから、半年以上が経過していますが、未だ復興が進んでいない地域もあり、不自由な生活を送られている被災者の方々もいらっしゃいます。また、最近は局地的な豪雨に見舞われ、各地に大きな水害の爪痕が残されています。このような状況に触れるたびに、自然災害の脅威を改めて感じ、平時からの備えの重要性を強く感じています。さらに、このところ、再流行が懸念されている新型コロナ感染症など、私たちの健康や生活を脅かすような状況に対し、皆様も緊張を新たに、ご対応の日々をお過ごしのことと思います。
さて、今年度の栃木県看護協会通常総会が、6月22日(土)に無事終了いたしました。
看護職に対する役割期待が増々高まり、活動領域が拡大する中、総会でもご報告させていただきましたが、当協会では、令和6年度の重点政策として次の5点を掲げ、その実現に向けての取組を実施してまいります。
1 看護の安全性・専門性の向上と実践力の強化
2 地域包括ケアシステムの構築と推進
3 看護職の働き方改革の推進
4 県民の健康・福祉に貢献できる体制整備
5 看護に係る普及啓発と組織強化
特に、今年度は次の2点について、取り組みを強化していきたいと考えます。
一つは、次世代を担う看護職確保への取り組みです。少子化が進む中、保健医療福祉の分野に限らず、労働力不足が社会問題となっています。看護の分野においても、近年、看護師養成機関への入学者が減少傾向にあり、若手看護職の養成確保が課題となっています。地元、栃木県で学び、栃木県内で看護職として活躍する、「地元ナース」の養成確保のための方策を、看護現場や養成機関、行政機関の方々とともにしっかりと考えていきたいと思います。若い世代の方々に看護への興味や地元への愛着を深めていただくために、当協会では小・中・高校生への「看護」に関する情報発信の機会を増やす取組をしています。また、令和4年度から継続して開催している「看護師基礎教育を考える会」を今年度も開催し、関係者の方々みんなで、現状の共有から、具体的な取り組みを考えていきます。
重点的な取り組みの二つ目としては、看護の質の向上に向けて、更なる取り組みを開始します。これまで、当協会が県に要望してきた看護の質の向上に係る事業が、今年度から県からの事業「特定行為研修修了者及び認定看護師活動推進事業」としてスタートします。事業の内容は、研修事業と派遣事業、そして今後の対応方策を検討する場の設営で構成されています。派遣事業については、認定看護師等を講師として派遣を希望する施設に派遣します。この事業を通して、特定行為研修修了者及び認定看護師等を自施設だけではなく、地域に活動の場を広げ、栃木県の看護の質向上に寄与するものです。更に、講師として活動する姿を身近に接することにより、看護職の皆さまにはキャリアアップを目指す一助になることを期待しています。どうか、有効にご活用いただければ幸いです。
当協会といたしましては、今後も、県民の健康と暮らしを支える看護職の役割を果たすために、それぞれの活動現場で生じているさまざまな課題について整理し、現場の声を行政や関係団体等に届け、課題改善のための働きかけを行っていきます。個人では解決が困難な課題も、職能団体としての組織力を生かして取り組んでいきたいと思いますので、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。